2020-01-01から1年間の記事一覧

戦争大国アメリカ

映画「サルバドル/遥かなる日々(原題:Sal vador)」を観た。 この映画は1986年のアメリカ映画で、エルサルバドルでの内戦を描いた戦争伝記映画だ。 この映画の主人公はリチャード・ボイスというジャーナリストだ。リチャードが取材をするのは戦争だ。それも特…

連帯

映画「ノーマ・レイ(原題:Norma rae)」を観た。 この映画は1979年のアメリカ映画で、労働組合の設立を描いた社会はドラマだ。 この映画の主人公は、映画のタイトルにあるようにノーマ・レイだ。ノーマ・レイはアメリカ南部のO・P・ヘンリー紡績工場に勤めて…

対価なき無償の労働

映画「菊とギロチン」を観た。 この映画は2018年の日本映画で、女相撲と無政府主義者たちを描いた映画だ。 この映画のタイトルにある「菊とギロチン」とは、一体どういう意味なのか?それはこういう意味だ。菊とは女相撲の力士である花菊のことだ。そしてギロ…

連載 アナーキー 参照文献

参照文献 ウィキペティア. (2018年6月18日). ダッカ近郊ビル崩落事故. 参照先: ウィキペティア: https://ja.wikipedia.org/wiki/ダッカ近郊ビル崩落事件 ウィキペティア. (2018年3月7日). フードバンク. 参照先: ウィキペティア: https://ja.wikipedia.org/w…

連載 アナーキー 第31回

㉛ アナキズムを高らかに宣言することなしに、実は国民は内発的にアナキズム的なのである。アナキズムではないアナキズム的な国民。どうだろう?この存在は、国家対アナキズムという対立を乗り越えるのではないか? アナキズム的国民というどっちつかずの表…

腐敗した権力

映画「華氏119(原題:Fahrenheit 11/9)」を観た。 この映画は2018年のアメリカ映画で、映画のジャンルはドキュメンタリーだ。 この映画ではドナルド・J・トランプの大統領就任までの状況を振り返っている。 アメリカで従来からあるのは2大政党というものだ。…

連載 アナーキー 第30回

㉚ 警察が暴力的であるがゆえに彼らも暴力的な態度をして行動に移る他ないのである。暴力はパーカーを着た集団(ブラック・ブロックという)よりも警察の方が得意分野である。ブラック・ブロックよりも先に暴力的なのは当然警察、国家である。 アナキズム=暴…

連載 アナーキー 第29回

㉙ 国家に対立する言葉としてアナキズムがある。本論でも繰り返し述べてきた言葉。それがアナキズムだ。アナキズムは国家の存在を否定する。国家でなく連合がそれに代わるべきだと考える。そしてその連合を作り出すのが相互扶助である。 相互扶助は人間の性…

連載 アナーキー 第28回

㉘ ストゥージズの活動した1960年代という時代、特にその後半はフラワー・ムーヴメントが花開いた時代である。 イギー・ポップはフラワー・ムーヴメントことを臭ったと表現しているし、後の時代になって、自分たちがしたことは何かと聞かれた時に「60…

連載 アナーキー 第27回

㉗ 相互扶助の精神が信じられない場所。これよりも不幸なことがあるだろうか?人々は常に誰かに襲われるのではないかという不安を抱えている。 経済的に不幸なことよりも、この精神的に不安の方が、人間にとって大きな問題になるのではないか? [中野佳裕, 2…

野生と文明

映画「出逢い(原題:The Electric Horseman)」を観た。 この映画は1979年のアメリカ映画で、映画のジャンルはロード・ムービーだ。 この映画の主人公は2人いる。1人はソニー・スチールというカウボーイだ。そしてもう1人はハリー・マーチンというテレビ局のキ…

連載 アナーキー 第26回

㉖ アナキズムは通常国家の存在を否定する考え方として知られている。 国は仲介者としての役割を果たさないとアナキズムは考えるようである。そう仲介者は別に国でなくてもいいのである。 ある土地に住む、否いるある人が仲介役を買って出れば問題ないのであ…

連載 アナーキー 第25回

㉕ 交換の規範は贈与とは異なる。 交換は与えたものと等価とされるものをきっちりと要求する。そこには一方的な贈与はない。つまり持たない者は何も得ることができない。冷酷な現実である。 持てる者は言う。「交換できないなら働いてお金を稼げばいいじゃな…

連載 アナーキー 第24回

㉔ 企業の寄附の行為と同じことを、私たち一人一人も当然のようにできる。それは多くを得てしまった時に、持たない人に、持たない人が欲しがるものを、無理のない範囲で与えることである。それができれば企業の存在など関係なくなる。 個人も与えるし、企業…

女性性の排除

映画「止められるか、俺たちを」を観た。 この映画は2018年の日本映画で、映画の内容は青春映画だ。 この映画の舞台は、1960年代末と1970年代の初期の東京だ。主人公のめぐみは、東京にある若松プロダクションという映画製作会社に入社して、若松孝二監督の…

連載 アナーキー 第23回

㉓ 人は相手に何をしたら、相手にとって幸福かわかっている。それが性善説の立場である。 人の性善を信じる動きはこの世の中で今も確実に起こっている。そう感じさせる動きがある。それは例えば食品ロスの運動である。 [ウィキペティア, 2018] 今世界の国々…

連載 アナーキー 第22回

㉒ ロックは市民政府論という本の中で、こう述べている。 [ジョン・ロック 訳/角田安正, 2013][ロケーション:3978]「自然状態に置かれていれば、そこには自然法があり、その支配が及んでいる。そこでは、だれもが自然法に服している。そして、耳を傾けさえ…

連載 アナーキー 第21回

㉑ 国は13人のホームレスに年間40万ポンド払っていたが、お金を彼らに直接与えた後では、その13人にかかる費用は年間5万ポンドに削減された。 それだけではない、最重要なのは彼らが路上生活から脱出し日常生活を送ることができるようになったという…

世間体への挑戦

映画「水のないプール」を観た。 この映画は1982年の日本映画で、エロティックな犯罪映画だ。 エロティックな犯罪映画といって連想されるのは、ハニー・トラップを仕掛ける女スパイという図式なのかもしれない。しかし、この映画で描かれるのは、人を眠らせ…

連載 アナーキー 第20回

⑳ イギリスのディガーズに始まったアナキズムの動きは、現在の人類学者デヴィッド・グレーバーまで伝わっている。 アナキズムは権力を嫌い、社会を一点への集中ではなくて、相互扶助から成る連合に撮り社会を作り上げようとする。アナキストの言い分では、人…

連載 アナーキー 第19回

⑲ 現在一般に共同体として考えられるのは家族である。それは夫婦2人に子1人というような。もしくは夫婦のみとか、単独で住む人というような。 つまり、家族という言葉が示す共同体は、今でもかろうじて相互扶助的な活動をするのであるが、その単位自体が小…

連載 アナーキー 第18回

⑱ 国とは想像上の虚構である。この事実は別に特に新しい事実ではない。多くの人によって言われていることである(例えば吉本隆明「共同幻想論」やベネディクト・アンダーソン「想像の共同体」)。国とは想像上のものなのだと。 プルートンもバクーニンもクロ…

連載 アナーキー 第17回

⑰ プルートンは近代アナキズムの前史であり、プルートンは連合主義を唱えた。つまり国より小さい単位を主な単位とする連合である。この場合決定権は国にはない。国より小さい単位に存在するのである。 バクーニンは無政府集産主義を唱えた。それは、生産手段…

統治権力を縛る

映画「追憶(原題:The Way We Were)」を観た。 この映画は1973年のアメリカ映画で、第2次世界大戦中に出会った2人の男女が、大戦も終わり、戦後になって青年期の終わりにさしかかるところまでが描かれている映画だ。 この映画の主人公はケイティー・モロスキ…

連載 アナーキー 第16回

⑯ まず生産手段について説明したい。 この世界のありとあらゆるものの内で、人間によって使用される物を2種類に大別することができる。生産手段と消費資料である。 生産手段とは、ものを作り出すために必要なもののことである。これに対して、消費資料とは使…

ザ・ビートルズ「ユー・リアリー・ガット・ア・ホールド・オン・ミー」対訳

ザ・ビートルズ「ユー・ガット・ア・ホールド・オン・ミー」対訳 ザ・ビートルズの曲の対訳をしてみました。 ザ・ビートルズ/ウィズ・ザ・ビートルズ/ユー・ガット・ア・ホールド・オン・ミー 君はぼくをほんとにしっかりつかまえた ぼくは君を好きじゃない…

連載 アナーキー 第15回

⑮ プルートンは、連合主義と交換銀行などという点について採り上げた。プルートンで重要なのは前者の連合主義である。国ではなくより小さい単位の自治を確立すること。それが連合主義である。 日本では考えられないことかもしれないが、この連合主義に似た考…

連載 アナーキー 第14回

⑭ 次に近代のアナキズムの主要人物である、プルートン、バクーニン、クロポトキンについて述べたいと思う。 大澤正道の「近代アナキズム思想史」によると、それぞれに以下のような主義、在り方が当てはめることができる。 [大沢正道, 1971] プルートンは近代…

ザ・ビートルズ「デビル・イン・ハー・ハート」対訳

ザ・ビートルズの曲の対訳をしてみました。 ザ・ビートルズ/ウィズ・ザ・ビートルズ/デビル・イン・ハー・ハート 彼女の心には悪魔がいる 彼女は心に悪魔を持っている しかし、彼女の瞳はぼくをじらして苦しめる 彼女は君の心が離れて泣くつもりだ 彼女の唇…

古き階級社会

映画「ファントム・スレッド(原題:Phantom Thread)」を観た。 この映画は2017年のアメリカ映画で、イギリスの上流階級のファッション・デザイナーとその妻となるイギリスの労働者階級の女性とのドラマ、ロマンスを描いた映画だ。 この映画の背景にはいくつか…