劣等感

映画「ヘッドハンター(原題:Hodejegerne)」を観た。 この映画は2011年発表のノルウェー映画であり、ジャンルとしては犯罪(=クライム)スリラーである。この映画で映画の主人公はHOTE社という大企業の仕組んだ技術窃盗作戦に巻き込まれることになる。 HOTE社…

石油の利権のための悲劇

映画「マイティ・ハート‐愛と絆‐(原題:A Mighty Heart)」を観た。 この映画の舞台は2001年の9月11日後のパキスタンである。この映画の主人公はマリアンヌ・パールというフランス人のラジオ局専属のジャーナリストである。マリアンヌの夫ダニエル・パールはあ…

国民皆保険がない社会

映画「摩天楼を夢みて(原題:Glengarry Glen Ross)」を観た。 この映画は1992年に発表されたアメリカ映画で、原作はデヴィト・マメットのピューリッツァー賞文学賞を受賞した名作戯曲「グレンギャリー・グレンロス」である。 この映画の舞台となるのは、ミッ…

個人の独創性と公共の利益

映画「摩天楼(原題:The Fountainhead)」を観た。 この映画は、アメリカのニューヨークに住む1人の建築家の男について描いた作品である。この映画の主人公である建築家のハワード・ロークは、過去になかったような独創的な建築を考える人物だった。 しかしハ…

理性は愛を目指すか?

映画「マタンゴ」を観た。 この映画は1963年8月11日に公開された日本の特撮ホラー映画である。この映画には重荷7人の登場人物がいる。 笠井雅文(会社社長)、作田直之(笠井の部下)、吉田悦郎(推理作家)、関口麻美(歌手)、村井研二(大学助教授)、相馬明子(大学…

特別な人たち

映画「マージン・コール(原題:Margin Call)」を観た。 この映画は、2007年に起きた世界金融危機の最中に破綻した、アメリカの大手投資銀行リーマン・ブラザーズ(リーマン・ブラザーズの破綻がその他の破綻の始まりとなった)を描いた作品であり、この映画の中…

上流階級という心地よさ

映画「マッチ・ポイント(原題:Match Point)」を観た。 この映画は、ウディ・アレン監督による2005年に発表されたイギリス映画であり、この映画の主人公は元プロ・テニス・プレーヤーのクリス・ウィルトンという青年である。 この映画の主人公クリスはプロ・…

物理学者として、そして男としてのホーキング博士

映画「博士と彼女のセオリー(原題:The Theory of Everything)」を観た。 この映画は、イギリスの理論物理学者であるスティーブン・ウィリアム・ホーキング博士の半生についての映画であり、ホーキング博士の業績と実生活(家族、恋愛)についての映画である。 …

勝った方が正しいというルール

映画「アクト・オブ・キリング(原題:The Act of Killing)」を観た。 この映画は、1965年9月30日にインドネシアで発生した軍事クーデターを機に発した、民間人による民間人の大量虐殺を描いた映画である。この軍事クーデターのことを9月30日事件(通称9・30事…

芸術と狂気

映画「悪魔とダニエル・ジョンストン(原題:The Devil And Daniel Johnston)」を観た。 映画のタイトルにある“ダニエル・ジョンストン”とはアメリカのテキサス州ウォーラーに住む(映画制作時)いわゆる芸術家である。 ダニエル・ジョンストンはどんな作品を作…

勉強とお金

映画「ラスベガスをぶっつぶせ(原題:21)」を観た。 この映画はアメリカのマサチューセッツ工科大学に通う、エリート学生の医学部受験のための一騒動を描いた映画である。この映画の主人公ベン・キャンベルはMIT(マサチューセッツ工科大学)に通うエリートで、…

解放的な人たち

映画「ラリー・フリント(原題:The People Vs.☆☆☆☆☆☆ Larry Flynt)を観た。 この映画は実在の人物である、ポルノ雑誌“ハスラー”の編集長であるラリー・フリントの半生を描いた映画である。 ラリー・フリントの創刊した“ハスラー”という雑誌はそれ以前のポルノ…

悲劇の利益

映画「地獄の英雄(原題:Ace In The Hole)」を観た。 この映画は、ビル・ワイルダー監督による1951年のアメリカ映画である。この映画の舞台はニュー・メキシコ州のアルバカーキ付近のエスカデロという(空想上の?)土地で起こった岩穴での(架空の)落盤事故をめ…

ケンドリック・ラマーはセンドウする

ケンドリック・ラマーがラップをする。ケンドリック・ラマーがラップで怒りや不満、不安をぶちまけると、それに大衆が反応をする。「ケンドリック・ラマーはなんてすごいやつなんだ!!」と。 ケンドリック・ラマー、本名ケンドリック・ラマー・ダックワーズは1987年6月17…

医者という力

映画「カリガリ博士(原題:Das Cabinet Des Dr.Caligari)」を観た。 この映画は1919年のドイツ制作のサイレント映画である。(ちなみにサイレント映画とは、映像が流れるバックに音楽が流れていて、セリフなどは画面に文字として表示される。映像に合わせて“話…

主情主義

映画「インサイド・ヘッド(原題:Inside Out)」を劇場で観た。 この映画は2015年7月18日に日本公開された、ディズニー・ピクサーの映画である。この映画は3Dの作品で、当然コンピュータ・アニメーションによる映画である。 この映画の主要な登場人物はライリー・アン…

神の出現、神による監視、そして裁き

映画「ディス・イズ・ジ・エンド 俺たちハリウッド・スター最凶最期の日(原題:This is The End)」を観た。 この映画はキリスト教と深い関わりを持つ映画である。なぜならこの映画は、聖書に登場する最後の審判について描かれたものだからである。 新約聖書のヨハネの…

家族の救済

映画「サイン(原題:Signs)」を観た。 この映画は2002年に上映されたアメリカ映画で、映画の舞台は現代アメリカの田舎である。この映画はSFミステリーものであり、映画の内容は宇宙人が地球に侵略してきて、それを田舎に住むひとつの家族が体験するというものであ…

人工知能とディストピア

映画「ターミネーター:新起動/ジェニシス(原題:Terminator Genisys)」を劇場で観た。 映画は大体1984年から2009年の間の出来事を描いた、タイムスリップSFアクションである。この映画の中では、人類と人工知能であるスカイネットというロボット集団が対立をして…

人種、性別、階級による差別

映画「ベル ある伯爵令嬢の恋(原題:Belle)」を観た。 この映画の舞台は1700年代後半のイギリスである。主人公は白人貴族と黒人奴隷との間に生まれた子供である、ダイド・エリザベス・ベル・リンジーという女性である。 1700年代の後半にはイギリスでも奴隷貿易が行わ…

自然と人知

映画「ハプニング(原題:The Happening)を観た。 この映画は、アメリカの北東部を主な場所とした映画であり、この映画の主人公は科学の教師エリオット・ムーアである。主人公のエリオットはフィラデルフィアの学校で科学の教師をしていると、原因は定かではないが…

コンピュータへの信頼度

映画「アヴェンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(原題:Avengers:Age of Ultoron)を劇場で観た。 タイトルにあるアヴェンジャーズとはアメリカン・コミックスの主人公たちから成る、いわゆるヒーローたちであり、エイジ・オブ・ウルトロンのウルトロンとは、アヴェ…

生活と愛

映画「ウェディング・シンガー(原題:Wedding Singer)」を観た。 この映画は”結婚”を巡る物語である。この映画を観ていると結婚を通じて人が何を一番大切にしていて、何を譲ることができないのかということが見えてくる映画である(この考え方からいくと、結婚とは…

世界を変える

映画「アイ・ウェイ・ウェイは謝らない(原題:Ai Wei Wei Never Sorry)」を観た。 タイトルにあるアイ・ウェイ・ウェイとは中国人の芸術家の名前である。アイ・ウェイ・ウェイの作品で世界的に知られているものは、北京オリンピックに使用された北京国家体育場の鳥の巣…

人と人との繋がり

映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました(原題:Chef)」を観た。 この映画はロサンゼルスの一流レストランで総料理長を務めるカール・キャスパーという男が、一流レストランガロワーズから解雇されて、ほとんど無一文の状態から家族や、仕事仲間の助けをかり…

自分の正直な気持ちを見つける

映画「小悪魔はなぜモテる?!(原題:Easy A)」を観た。 この映画は女子高校生を主人公とした、いわゆる学園モノである。カルフォルニア州のオーハイにある公立オーハイ北高校に通う主人公の少女オリーブ・ペンダーガストは地味で目立たない高校生活を送っているが、…

欲求、妄想、夢そして現実

映画「昼顔(原題:Belle de jour)」を観た。 この映画は1967年のフランス・イタリア合作映画である。タイトルの「昼顔」とは、主人公のセヴリーヌの娼婦としての名前である。 セヴリーヌは医者である夫のピエールと金銭的に何不自由ない生活をしている。ある日、知り合…

人生の偶発性

映画「バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(原題:Birdman or The Unexpected Virtue of Ignorance)を劇場で観た。 この映画は、かつてバードマンというヒーロー映画の主人公だった男が、レイモンド・カーヴァーというアメリカの作家(短い作品を得意…

技術の崇拝

映画「マッド・マックス 怒りのデス・ロード(原題:Mad Max;Fury Road)」を劇場で観た。 この映画は、核戦争で地球が破壊された後を描いた映画である。 この映画の世界では資源が枯渇しており、見渡す限り辺は砂漠である。かつては草木の緑に溢れていた場所も枯れ果…

宗教と政治

映画「ジーザス・キャンプ~アメリカを動かすキリスト教原理主義~(原題:Jesus Camp)」を観た。 この映画は2006年のアメリカのドキュメンタリー映画である。 内容を簡単に言うとこうだ。この映画は、アメリカの政治的右派を支持するキリスト教福音派もしくは、キリ…

これは誰の選択か?

映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(原題:Once Upon A Time In America)を観た。 禁酒法時代(1920~1933)のアメリカを描いた映画で、映画の主要人物たちは、アメリカのニュー・ヨークのユダヤ人街のギャングである。特に主要な人物としては、ヌードル…

未来を見つめる

映画「トゥモローランド(原題:Tomorrowland)」を劇場で観た。 この映画は、ディズニー・ランドで有名な会社ディズニーによる映画であり、ディズニー・ランドに実際にあるアトラクション「トゥモローランド(映画タイトルと同じ)」を扱った映画である。 では「トゥモロ…

生を肯定する

映画「6歳のボクが、大人になるまで。(原題:Boyhood)」を観た。 この映画は主人公メイソンが6歳の時から、18歳になるまでを、実際に12年間という撮影期間をかけて、主人公たちの成長と挫折を描いた映画である。 主人公のメイソンの父と母は離婚して、メイソンは姉…

マッチ・ポンプと刷り込み

アニメ映画「空飛ぶゆうれい船」を観た。 この映画の主人公は隼人(はやと)というまだ小学生ぐらいの少年である。この映画は少年である隼人が自分の近親者を殺した犯人を見つけ出し、その敵と対決をするというように描かれている。 では、一体隼人の敵とは何なのか…

貧困の脱出の策としての音楽と、音楽による一体化

映画「ジャジー・ボーイズ(原題:Sersey Boys)」を観た。 この映画はアメリカのニュージャージー州ペルヴィル出身の4人組ポップ・ロック・グループ「フォー・シーズンズ」の伝記映画である。又、この映画の制作される前に、ミュージカル「ジャジー・ボーイズ」が公演され、…

復讐者

映画「ロスト・ハイウェイ(原題:Lost Highway)」を観た。 この映画はデビット・リンチ監督による、アメリカ、フランスの合作映画である。 この映画の主人公は2人の男であり、この2人の男というのは実は1人の男である。つまり片方の男がフレッド・マディソンであり、…

愛を知ること

映画「エル・トポ(原題:El Topo)」を観た。 映画のタイトルであるEl Topoとはモグラのことである(Elは冠詞、Topoはモグラ)。主人公はガンマンである中年ぐらいの男のエル・トポである。エル・トポは馬に乗って移動するさすらいのガンマンであり、洞窟に暮らす坊主頭…

音楽は情動を規範から解放する

映画「サウンド・オブ・ミュージック(原題:The Sound of Music)」を観た。 映画の舞台は1930年代のオーストリアの都市ザルツブルグである。映画の主人公のマリアはオーストラリアの教会(カトリック?)の修道女である。 マリアは隙をみてはいつも修道院から抜け出し…

新しい価値観と向き合う

映画「惑星ソラリス(英題:Solaris)」を観た。 映画の舞台は、未来の世界で、人間は惑星ソラリスに進出して、惑星ソラリスに基地を作っている。そして惑星ソラリスにある基地では異常が起きており、その異常を調査するために、主人公のクリスが派遣される。 惑星ソ…

破壊と創造

映画「ドニー・ダーコ(原題:Donnie Darko)」を観た。 映画の舞台はアメリカのマサチューセッツ州1988年の10月の1ヶ月を描いたものである。アメリカの10月といえばハロウィンの時期であり、この映画の最後の辺りではハロウィンのお祭りが行われている。 映画のタイ…

煽られて我を忘れた国民

映画「恐怖省(原題:Ministry of Fear)」を観た。 この映画は、イギリス人小説家グレアム・グリーンの同名小説を元にした映画である。イギリス人小説家グレアム・グリーンの代表作には「第三の男」がある。 映画「恐怖省」の舞台は第二次世界大戦時のイギリスで、ナチス・…

崇高な尊厳との一体化は必要か?

映画「死刑執行人もまた死す(原題:Hangmen Also Die!)」を観た。 映画の時代は、第二次世界大戦頃、場所はドイツに占領されたチェコスロバキアのプラハである。映画はナチス・ドイツがチェコに置いた“死刑執行人”というあだ名を持つハイドリヒ総督が、チェコにあ…

人間の生と破壊的な欲動

映画「夢(英語タイトル:Akira Kurosawa’s Dreams)」を観た。 この映画は8編の短い部分からなるオムニバス映画である。1話目から①「日照り雨」②「桃畑」③「雪あらし」④「トンネル」⑤「鴉」⑥「赤富士」⑦「鬼哭」⑧「水車のある村」までの計8作により構成されている。 この8つの物語…

性に対して放埒であること

映画「ニンフォマニアック(Nymph()maniac vol.1,2)」を観た。 この映画の冒頭は主人公ジョー(女性)が奥まった街路の上で倒れているのを、セリグマンという老人の男が見つけて、自分の部屋に連れて行くシーンである。セリグマンは自身の家の中で、ジョーがなぜ顔…

合法的殺人、監視社会、それは国家の肥大

映画「エム(原題:M-Eine Stadt sucht einen Moder)」を観た。 映画タイトルの「エム」とは殺人(Murder)のことを指す。この映画はフリッツ・ラング監督による1931年のドイツ映画で、ラングの代表作であり、サイコスリラー映画の初めの映画であると言われている。 映画…

崇高さから解放されろ!!

映画「セッション(原題:Whiplash)」を劇場で観た。 この映画はプロのジャズ・ドラマーを目指す青年アンドリュー・ニーマンと、彼の所属する音楽学校で教師として勤めていたフィッシャーとの音楽を通じた戦いの物語である。 ニーマンは全米屈指の名門校シェイファー…

無計画に真理に近づく

映画「ヤバい経済学(原題:Freakonomics)」を観た。この映画は、ジャーナリスト、スティーヴン・ダブナーと経済学者スティーヴン・レヴィットによる共著「ヤバい経済学」を元に作られた映画である(本は400万部売れたそう)。 この映画で一貫しているテーマは「インセン…

偶発性への気づきと、選択肢の存在

映画「マグノリア(原題:Magnolia)」を観た。この映画はアメリカのカリフォルニア州ロサンゼルス市のハリウッドという場所で、2日間という短い時間に起こる物語であり、またこの物語の主人公は多数存在する。 主要登場人物の大半が過去からの問題に縛られている…

結婚と愛と

映画「アパートの鍵貸します(原題:The Apartment)」を観た。 この映画の主人公は大手保険会社に勤めるC・C・バクスター(通称バディ・バッド)という男である。バディには公然にはできない秘密があった。それは自分の上司5人に自分のアパートの部屋を不倫の密会の場所…

欲望と節度

映画「インサイド・ジョブ(原題:Inside Job)」を観た。 2008年9月15日に起きた世界金融危機について取り上げた、ドキュメンタリー映画である。映画の冒頭でこう表示される。「2008年の世界金融危機は、数千万人もの貯蓄や仕事や住宅を犠牲にした」と。つまり世界…