独立した放送局

Democracy Now!(デモクラシー・ナウ!)というインターネットのアメリカの寄付で成り立っている放送局をご存じだろうか?このデモクラシー・ナウ!という放送局は特定の営利企業の利益に迎合することはない。つまり、ルパート・マードックのFOXニュースのような、特権階級の営利が目的で行われている放送のように、放送の内容が都合よく歪められることはない。

 

“Since our founding in 1996, Democracy Now! has held steadfast to our policy of not accepting government funding, corporate sponsorship, underwriting or advertising revenue.”

https://www.democracynow.org/about

2021.12.19閲覧

 

"1996年の我々の創立以来、デモクラシー・ナウ!は、政府からの資金提供、企業の援助、融資や、広告収入を受け取らないことが私たちのゆるぎないポリシーです。"

 

このような文章がインターネットのデモクラシー・ナウ!のaboutからとべるページに記されている。政府、企業の資金に一切頼らない放送局というのがデモクラシー・ナウ!の独立性を示している。

放送局の独立性とは放送局が偏向しないことを示している。放送局はどうしてもお金を出してくれるスポンサー、例えば企業や政府におべっかを使うようになる。なぜなら彼らが放送を気に入らなかったら、放送局に出されるお金は少なくなるからだ。要は、スポンサーはお金で放送局をコントロールすることができるとうことだ。

その点デモクラシー・ナウ!のようなポリシーを持つ放送局は、スポンサーの意向に縛られることなく、独立した放送局として放送を行うことができる。それがデモクラシー・ナウ!の放送局としての強みだ。独立した放送局それがデモクラシー・ナウ!だ。

日本の放送局であるNHKの予算案は総務大臣に提出され国会の承認を得ることになる。しかもNHKの最高意思決定機関である経営委員会の委員は内閣総理大臣によって任命される。つまりこういうことだ。

国民から強制的に受信料をとっているNHKは、政府の意向に反する放送はできないということだ。予算の決定も、NHKの上部の人事も、政府の意向が反映される形になっている。国民から受信料をとっているから国民の意向に沿って放送を行うのが当然のはずだが、受信料は強制的にとることができる。

受信料は国民の任意ではない。つまり任意ならNHKが気に入らなければ受信料を払わないという行為がとれるが、強制なのでNHKの受信料の支払いに受信者の意思が反映されることはない。

デモクラシー・ナウ!のような独立した放送をNHKは行うことができない。そこにあるのは政府に都合の良い偏向放送だ。つまりNHKは受信者のための独立した放送機関ではない。日本の公共放送のレベルはこの程度だ。

日本にもスポンサーに依存しないインターネット上の放送局が存在する。それはビデオニュース・ドットコムという放送局だ。ビデオニュース・ドットコムは「マル激トーク・オン・デマンド」というメインの番組を持つ放送局だ。ビデオニュース・ドットコムのインタネット上の「ビデオニュース・ドットコムについて」というぺージにはこうある。

 

ビデオニュース・ドットコムでは報道機関が本来の公共的な役割を果たすためには、広告に依存しないビジネスモデルの構築が不可欠だと考え、開局当初より有料会員制を採用しています。ビデオニュース・ドットコムで現在放送中の放送をすべてご視聴になるためには、ご入会(月額550円(税込))が必要になります。(一部無料放送あり)

https://www.videonews.com/about

2021.12.19閲覧

 

このビデオニュース・ドットコムというインターネット上の放送局もデモクラシー・ナウ!と同じように特定の企業や政府に縛られない放送を行っている。司会は神保哲生宮台真司と迫田朋子だ。ちなみにデモクラシー・ナウ!の司会者はエイミー・グッドマンという人だ。両方の放送局ともテレビから流れてくる企業や政府の意向に偏った放送とは一線を画している。非常に観ごたえがある放送だ。

ビデオニュース・ドットコムは特定の利権に囚われることのない自由で正確な情報が放送される。デモクラシー・ナウ!は西洋という巨大な利権のもとで立ち上がる第三世界やその他の世界の現地民の姿を鋭くとらえる。現地民というと想像されるのは、南米やアフリカの住人と言ったところだろうが、そのひとたちと世界各地の市民、人々が連動しているというのが、デモクラシー・ナウ!を最近観始めた自分の感想だ。

ビデオニュース・ドットコムは日本語で行われる放送だ。それに対して、デモクラシー・ナウ!は英語だ。両放送局とも重要な放送局だと筆者は思っている。是非視聴するのをお薦めする。ちなみにビデオニュース・ドットコムには上記のように無料放送もあります。デモクラシー・ナウ!は無料で観れます。

 

 

参考文献

25%の人が政治を私物化する国 植草一秀 詩想社新書 2019.7.8第1刷発行