2015-01-01から1年間の記事一覧

規範からの解放、そして規範の再構築

映画「あの頃ペニー・レインと(原題:Almost Famous)」を観た。 映画の舞台は70年代頃のアメリカだ。主人公の少年は、姉の影響でロック・ミュージックを聞くようになる。そしていつの間にやら音楽雑誌を読むだけではなく、音楽について書くことを望むよう…

性的異常者そして虐待

映画「ドラゴン・タトゥーの女(米題:The Girl with the Dragon Tatto)」を観た。 スウェーデンの小説家(ジャーナリスト)であるスティーヴ・ラーソン3部作「ミレミアム」の第1部である「ドラゴン・タトゥーの女」を映画化したものである。内容としてはミ…

個々の中の抑圧が、やがて社会の抑圧になる

映画「イミテーション・ゲーム(原題:The Imitation Game)」を劇場で観た。 映画の舞台は第二次世界大戦前後のイギリスで、主人公はイギリスに実在した天才数学者アラン・チューリングである。 第二次世界大戦時、イギリスはドイツと戦っていた。ドイツは…

私を高めて!!

映画「シーズ・ソー・ラブリー(原題:She’s So Lovely)」を観た。 この映画で特に印象に残る言葉がある。それは映画の冒頭と最後の部分での言葉である。映画の冒頭ではこう綴られる。「愛は寛容ではない/類(たぐい)まれな優しさ/B・R・ディグニン1892年…

根源性と向き合う

映画「フランク(原題:Frank)」を観た。 この映画は、音楽家(ミュージシャン)たちを中心にして描かれた映画である。この映画の主人公は音楽が好きで、音楽を自分で作曲をして、いつかはアーティストと呼ばれる存在になりたいと思っている青年(ジョン)…

真理による心の内側からの解放

マーティン・スコセッシ監督作品、「クンドゥン(原題:Kundun)」(“法王猊下/ほうおうげいか”という意味)を観た。 チベットという国の法王猊下であるダライ・ラマ14世の若き日々を描いた映画である。時代は1930年代後半頃から始まる。 チベットの高僧が旅人…

規範に縛られ過ぎた大人達、無邪気な子供達

映画「アイス・ストーム(原題:The Ice Storm)」を観た。 この映画は2つの家族を中心とした映画である。片方の家族の息子はトビー・マグワイア(サム・ライミのスパイダー・マンシリーズで有名)が演じており、もう片方の家族の息子はイライジャ・ウッド(…

破壊的欲動

映画「ファーゴ(原題:Fargo)」を観た。 1996年製作。コーエン兄弟によるアメリカ映画。アカデミー賞(アメリカ)で主演女優賞と脚本賞を獲得した作品だ。アメリカ五大湖南西部辺り(すぐ北はカナダ)に起こる連続殺人、誘拐、脅迫を描く、サスペンス・コ…

それぞれの価値観

映画「コンタクト(原題:Contact)」を観た。 この映画はいわゆるサイエンス・フィクション(SF)で、人類と人類以外の高度な知的生命体との接触(コンタクト)を描いている。タイトルのコンタクト(Contact)の意味には、接点装置という意味もある。 この…

アウトサイダー(犯罪者としての)

映画「アウト・オブ・サイト(原題:Out Of Sight)」を観た。 スティーブン・ソダーバーグ監督による、エルモア・レナードの同名小説の映画化。小説家エルモア・レナードは他にも「ジャッキー・ブラウン」「ゲット・ショーティ」などの作品が映画化されてい…

欲動と死と境界線

映画「ハピネス(原題:Happiness)」を観た。 どこにも救いがない映画、徹底的に解決というものを拒否している映画だ。主要な登場人物が複数いる。3人の姉妹とその両親、長女の家族、次女の隣人、三女と連れ添う男たち。次女の隣人の隣人、長女の子供たちも…

喜びを開放しろ!!但し、し過ぎには注意!

映画「天才マックスの世界(原題:Rushmore)」を観た。 「大きな喜びを経験した者は、それを皆と共有すべきだ J・Y・クストー」 ※J・Y・クストー→ジャック=イヴ・クストー Jacques-Yves Cousteau(1910~1997)フランスの海洋学者。 ラッシュモア高という…

有事、非常事態、軍隊による人権侵害

映画「マーシャル・ロー(原題:The Siege)」を観た。 ○siege[名詞] 1.(城塞(じょうさい)などの)包囲攻撃;包囲[攻囲]期間 2.(つきまとう)病気、災厄、悩み;《米》(災厄・悩みの)長く苦し い期間 3.[U](執のような)努力 プログレッシブ英和辞典…

戦争と人

映画「アメリカン・スナイパー(原題:American Sniper)」を劇場で観た。 映画のラストに史実として、主人公が、戦争からの帰還兵の手によって殺されたことを知った時に思わず「ゾッ」とした。 物語は、一人のアメリカ白人男性が兵士となり死するまでを描い…

「海」と「彼女」と「教授」

映画「ペーパー・チェイス(原題:Paper Chase)」を観た。 主人公はハーバード大学の法学部の大学院生。学校生活は勉強の競争により切り詰められている。勉強が大変過ぎて、おちおち遊ぶ暇もない。 ラスト・シーン、主人公は「海」に向かって「岩」の上に立…

言葉を超えた表現

映画「フォロー・ミー(原題:Public Eye)」を観た。 この映画の原題はパブリック・アイ(公の目)である。公の目とは、文字どおりに公的な視点のことである。 これに対して(パブリック・アイというセリフと同様に映画の中にも登場するが)プライベート・…

情動

映画「ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!(原題:Election)」を観た。 主人公は中年になりかけの白人男性の高校教師。既婚者。ある日主人公は、友達の元カノで自分の勤めている学校の生徒が自分を誘惑していると勘違いをし、それが原因で数々の…