金融界へ復讐する女たち

映画「ハスラーズ(原題:Hustlers)」を観た。

この映画は2019年のアメリカ映画で、映画のジャンルは犯罪映画だ。

この映画の主人公はドロシーという女性だ。ドロシーは幼いころに、両親によって祖母のところに置き去りにされた過去を持つ女性だ。

ドロシーは、ストリップの仕事をして働くストリッパーで、お金が集まる店を求めて、ラモーナのいる店に辿り着く。

ラモーナはストリップ界の花形スターで、ドロシーはディスティニーという名で、ラモーナと友達になり、ラモーナからストリップで稼ぐ方法を教わる。

ラモーナたちの働くストリップ小屋は、ウォール街の近くにあり、お客は金融関係の人たちが大半だった。ラモーナはウォール街にたくさんの金融関係のお客を持っていた。

そこで時は2008年の9月29日になる。そうそれは、世界金融危機が起きた時だ。金融危機で、アメリカは大打撃を受けた。金融危機を利用して儲けた人たちもいたが、多くの人は家や職を失った。

金融危機の原因はサブプライム・ローンだと言われている。貧しい人に住宅ローンを組ませて、住宅を売り、その住宅ローンを商品として売買していた。なぜローンが金融商品になるかは全くわからないが、世界中の人たちは、その金融商品を安全なものとして多く取引していた。

そんな中、2008年の9月29日に、バブルがはじけた。金融界の大物を除いては、前述したように大きな損害を被った。当然ラモーナたちの店も経営状態が良くなくなる。そして店の商売の内容も変わる。

2008年以前は、女性のプライドをある程度は尊重するギリギリのラインが保たれていた。しかし2008年以後はストリップのショーをみせるのではなくて、直接的な性的サービスを行うようにストリップ小屋のあり方が変わる。

それで経済的にも精神的にも大打撃を受けたのがストリップ・ショーのショー・ガールたちだ。ラモーナは言う。「私たちの世界を苦しめている元凶の金融界の奴らをはめてやろう」と。

そしてラモーナとディスティニーの2人が中心となって、金融界で儲けている男たちを薬を使ってよい気分にさせて、カードをガンガン遣わせるという犯罪に手を染める。女性性を見下げていて、金で何もかもコントロールしようとする男たちに対する彼女たちなりの復讐の方法がこの方法だ。

この映画は映画を観るすべての男たちに、お前はこのようなクズ男になってはいないのかという問いを向けてくる。同時に女性たちにもクズな男たちに従うことはないという助言を与える。そしてこの映画で描かれるのは女性の友情だ。