2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

対価なき無償の労働

映画「菊とギロチン」を観た。 この映画は2018年の日本映画で、女相撲と無政府主義者たちを描いた映画だ。 この映画のタイトルにある「菊とギロチン」とは、一体どういう意味なのか?それはこういう意味だ。菊とは女相撲の力士である花菊のことだ。そしてギロ…

連載 アナーキー 参照文献

参照文献 ウィキペティア. (2018年6月18日). ダッカ近郊ビル崩落事故. 参照先: ウィキペティア: https://ja.wikipedia.org/wiki/ダッカ近郊ビル崩落事件 ウィキペティア. (2018年3月7日). フードバンク. 参照先: ウィキペティア: https://ja.wikipedia.org/w…

連載 アナーキー 第31回

㉛ アナキズムを高らかに宣言することなしに、実は国民は内発的にアナキズム的なのである。アナキズムではないアナキズム的な国民。どうだろう?この存在は、国家対アナキズムという対立を乗り越えるのではないか? アナキズム的国民というどっちつかずの表…

腐敗した権力

映画「華氏119(原題:Fahrenheit 11/9)」を観た。 この映画は2018年のアメリカ映画で、映画のジャンルはドキュメンタリーだ。 この映画ではドナルド・J・トランプの大統領就任までの状況を振り返っている。 アメリカで従来からあるのは2大政党というものだ。…

連載 アナーキー 第30回

㉚ 警察が暴力的であるがゆえに彼らも暴力的な態度をして行動に移る他ないのである。暴力はパーカーを着た集団(ブラック・ブロックという)よりも警察の方が得意分野である。ブラック・ブロックよりも先に暴力的なのは当然警察、国家である。 アナキズム=暴…

連載 アナーキー 第29回

㉙ 国家に対立する言葉としてアナキズムがある。本論でも繰り返し述べてきた言葉。それがアナキズムだ。アナキズムは国家の存在を否定する。国家でなく連合がそれに代わるべきだと考える。そしてその連合を作り出すのが相互扶助である。 相互扶助は人間の性…

連載 アナーキー 第28回

㉘ ストゥージズの活動した1960年代という時代、特にその後半はフラワー・ムーヴメントが花開いた時代である。 イギー・ポップはフラワー・ムーヴメントことを臭ったと表現しているし、後の時代になって、自分たちがしたことは何かと聞かれた時に「60…

連載 アナーキー 第27回

㉗ 相互扶助の精神が信じられない場所。これよりも不幸なことがあるだろうか?人々は常に誰かに襲われるのではないかという不安を抱えている。 経済的に不幸なことよりも、この精神的に不安の方が、人間にとって大きな問題になるのではないか? [中野佳裕, 2…

野生と文明

映画「出逢い(原題:The Electric Horseman)」を観た。 この映画は1979年のアメリカ映画で、映画のジャンルはロード・ムービーだ。 この映画の主人公は2人いる。1人はソニー・スチールというカウボーイだ。そしてもう1人はハリー・マーチンというテレビ局のキ…

連載 アナーキー 第26回

㉖ アナキズムは通常国家の存在を否定する考え方として知られている。 国は仲介者としての役割を果たさないとアナキズムは考えるようである。そう仲介者は別に国でなくてもいいのである。 ある土地に住む、否いるある人が仲介役を買って出れば問題ないのであ…

連載 アナーキー 第25回

㉕ 交換の規範は贈与とは異なる。 交換は与えたものと等価とされるものをきっちりと要求する。そこには一方的な贈与はない。つまり持たない者は何も得ることができない。冷酷な現実である。 持てる者は言う。「交換できないなら働いてお金を稼げばいいじゃな…

連載 アナーキー 第24回

㉔ 企業の寄附の行為と同じことを、私たち一人一人も当然のようにできる。それは多くを得てしまった時に、持たない人に、持たない人が欲しがるものを、無理のない範囲で与えることである。それができれば企業の存在など関係なくなる。 個人も与えるし、企業…

女性性の排除

映画「止められるか、俺たちを」を観た。 この映画は2018年の日本映画で、映画の内容は青春映画だ。 この映画の舞台は、1960年代末と1970年代の初期の東京だ。主人公のめぐみは、東京にある若松プロダクションという映画製作会社に入社して、若松孝二監督の…

連載 アナーキー 第23回

㉓ 人は相手に何をしたら、相手にとって幸福かわかっている。それが性善説の立場である。 人の性善を信じる動きはこの世の中で今も確実に起こっている。そう感じさせる動きがある。それは例えば食品ロスの運動である。 [ウィキペティア, 2018] 今世界の国々…

連載 アナーキー 第22回

㉒ ロックは市民政府論という本の中で、こう述べている。 [ジョン・ロック 訳/角田安正, 2013][ロケーション:3978]「自然状態に置かれていれば、そこには自然法があり、その支配が及んでいる。そこでは、だれもが自然法に服している。そして、耳を傾けさえ…

連載 アナーキー 第21回

㉑ 国は13人のホームレスに年間40万ポンド払っていたが、お金を彼らに直接与えた後では、その13人にかかる費用は年間5万ポンドに削減された。 それだけではない、最重要なのは彼らが路上生活から脱出し日常生活を送ることができるようになったという…

世間体への挑戦

映画「水のないプール」を観た。 この映画は1982年の日本映画で、エロティックな犯罪映画だ。 エロティックな犯罪映画といって連想されるのは、ハニー・トラップを仕掛ける女スパイという図式なのかもしれない。しかし、この映画で描かれるのは、人を眠らせ…

連載 アナーキー 第20回

⑳ イギリスのディガーズに始まったアナキズムの動きは、現在の人類学者デヴィッド・グレーバーまで伝わっている。 アナキズムは権力を嫌い、社会を一点への集中ではなくて、相互扶助から成る連合に撮り社会を作り上げようとする。アナキストの言い分では、人…

連載 アナーキー 第19回

⑲ 現在一般に共同体として考えられるのは家族である。それは夫婦2人に子1人というような。もしくは夫婦のみとか、単独で住む人というような。 つまり、家族という言葉が示す共同体は、今でもかろうじて相互扶助的な活動をするのであるが、その単位自体が小…