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神は気まぐれ

映画「アルゴ探険隊の大冒険(原題:Jason and the Argonauts)」を観た。

この映画は1963年のイギリス・アメリカの特撮映画で、ギリシア神話のアルゴナウタイを元に描かれた映画である。アルゴナウタイとはギリシア神話の長編叙事詩に登場する英雄たちの総称(ウィキペティアより)である。

英雄たちが、そのリーダーであるジェイソン(ギリシア名:イアーソン)に率いられて巨大なアルゴー船で旅をする話である。アルゴーの船員=アルゴナウテースという単数形の表現からアルゴーの船員たち=アルゴナウタイという言葉が導かれる。アルゴナウタイとはつまり、アルゴー船に乗って旅をする英雄たちのことである。

この映画で描かれる物語はアルゴナウタイが、黄金の毛皮を獲得するという目的でコルキスという国へ旅をするというのが大筋である。アルゴナウタイのリーダーであるジェイソンはアリスト王の息子であり、姉と妹と両親をペライアスによって殺された過去を持つ。

ジェイソンは再び自らが王となる思いを抱き、王になるためには民を魅了する奇跡が必要で、その奇跡を起こすには黄金の(羊の)毛皮が必要であると語る。現にその黄金の(羊の)毛皮を持つ国コルキスは繁栄しているのである。

ジェイソンは船に乗ってコルキスに旅立つことを決意するが、その仲間には競技をした勝者を選ぶことにする。そしてその勝者たちの中には自らの王アリスト王を殺したペライアスの息子アカスタスも含まれている。

ジェイソン一同はブロンズ島で、テイロスの銅像と対決し、フリジアで目の悪いフュニアスを怪鳥から助け、ほえる岩と呼ばれる岩が滑落してくる海を挟み込む岩場を神の息子の助けにより通り抜け、アカスタスの裏切りにあい、コルキスの地でその国の王と王が操る魔物と戦う。

その試練を助けるのは、神の妃であるヘラと、女神ヘカーテに使える女官メディアである。ジェーソンが危機になると女性が決まってジェイソン一行を助けるのである。

この映画は神の世界にいる神々が、英雄と人間の世界を見下ろしているという構図をとる。救いをもたらすのは神であり、災いをもたらすのもまた神なのである。

ゼウスの妃であるヘラがこう尋ねる。「なぜあなたは罪を犯している人を見逃したり、見逃さなかったりして、不公平なの?」と。ゼウス(神の中の神)は答える。「たまに罪を見逃してやると寛大だと思われるだろ」と。

つまりすべての決定は神の気分次第ということである(いつも見逃す神の方が寛大だが、それだと神の存在感が薄くなるとでもいうのだろうか?)。ジェイソンは言う。「神は残酷だ」と。その通り、神はその下々の者にとっては不合理極まりない存在なのである。神は気まぐれなのである。