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劣等感

 映画「ヘッドハンター(原題:Hodejegerne)」を観た。

 この映画は2011年発表のノルウェー映画であり、ジャンルとしては犯罪(=クライム)スリラーである。この映画で映画の主人公はHOTE社という大企業の仕組んだ技術窃盗作戦に巻き込まれることになる。

 HOTE社は資金難に陥っていて、お金が無い。そこでパスファインダー社に秘密に社員を送り込んで、パスファインダー社の技術を盗んで、その技術により収益を上げようとしている。

 この映画の主人公ロジャー・ブラウンは、人材を引っ張り出してくる仕事、つまりある企業に依頼されて優秀な人材を依頼主のために獲得する、つまりヘッドハンティングする仕事をしている。

 ロジャーはHOTE社が技術を盗もうとしているパスファインダー社に雇われて、パスファインダー社のために人材をヘッドハンティングするヘッドハンターなのである。

 そこでHOTE社は自らの社員を自社から退職させたと偽って、パスファインダー社にスパイを送り込む作戦のためにロジャーを利用しようとする。HOTE社は映画中には出てこないが、パスファインダー社に雇われているヘッドハンターの身辺調査を極秘に行っていたのだろう。

 HOTE社はロジャーがヘッドハンティングする時には、ヘッドハンティングの対象者が所有している絵画を目当てにヘッドハンティングすることをつかんでいた。そこでHOTE社はロジャーの妻(ロジャーの妻はHOTE社の陰謀のことなど知らない)にある情報を流す。「クラス・クリーブという男がルーベンス(もちろん偽物)の数億クローネもする絵を持っている」。

 そしてロジャーはHOTE社の思惑通りに、クラスのルーベンスを偽物のルーベンスとは知らずにその実は偽物の絵画を目当てに、産業スパイ、クラスをヘッドハンティングするのである。

 さてロジャーは絵画を盗んで大金を稼いでいるが、何故そんな大金が必要なのか?それは自分の妻に浮気をされたくないからである。ロジャーは自分の妻ダイアナ・ストロームが自分の外見や中身でなく、自分がお金や物を持っているという点でロジャーに惹かれていると思っている。又、ロジャーはダイアナに愛を独占したいがために、子供をつくることを避けているのである。

映画の中でロジャーは排便にまみれ、血にもまみれる。前者はロジャーが適切でない排便との関係(適切な排便をしなさいという母の命令との逆)を持つことにより母性から脱し、後者では呪術的に豊穣を祈願しているのかもしれない。そしてロジャーは映画の最後に父になる(子をもうける)のである。