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特別な人たち

映画「マージン・コール(原題:Margin Call)」を観た。

この映画は、2007年に起きた世界金融危機の最中に破綻した、アメリカの大手投資銀行リーマン・ブラザーズ(リーマン・ブラザーズの破綻がその他の破綻の始まりとなった)を描いた作品であり、この映画の中ではリーマン・ブラザーズの社員がリーマン・ブラザーズの破綻に気づき、リーマン・ブラザーズの持つMBS(不動産担保証券)をリーマン・ブラザーズの破綻が世の中に知られる前に売りさばくまでの、24時間が描かれている。

ここで言われるMBS(不動産担保証券)とは住宅ローンの債権のことであり、つまりはサブプライム・ローンのことである。サブプライム・ローンとは何か?それは2001~2006年頃まで続いたアメリカの住宅価格の上昇を背景として、住宅や住宅以外のものを担保とした住宅ローンを証券化して、その証券を売り買いするというものである。

この住宅ローンはサブプライムな人たち、つまりプライム(優良客)でない“サブ”プライムな人たちのために発案されたのである。

当時のアメリカでは住宅の価格が次々に上昇していたため、その上昇率を見込んでいた。つまり住宅を低い値段で買って、その住宅を買った時より高い価格で売ることが可能だと思われていた。

アメリカの証券を評価する会社(格付け会社)もサブプライム・ローンは安全で儲かる証券であると言っていた。住宅の値段はこれからもずっと高くなる。よってその差額を見込んで人は住宅をローンしてでも買う。今住宅を買っておけば、将来今よりも高い価格で住宅は売れるだろうから。

いっそのこと住宅ローンを証券化して市場で売り買いしてやろう。住宅の値段は上がるということになっているから、住宅ローンの証券も、きっと高い上昇率を背景に売り買いがされるであろう。

住宅ローンは借金なのにそれが証券化されると優良商品となってしまう。そのからくりは謎である。

映画の中でリーマン・ブラザーズの社員はこう言う。「我々は一般人とは違うんだ。俺たちは大金を稼いでいて、学歴もある。どうせ会社が破綻してもしなくても、俺たちは悪く言われる。だったら会社が破綻して、一般人に影響が出ても知ったことか」と。

自分たちは選ばれた人間であり、一般の人々とは別の人種であるという価値観。これが金融界の人々の間の共通認識なのだろうか?