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勉強とお金

 映画「ラスベガスをぶっつぶせ(原題:21)」を観た。

この映画はアメリカのマサチューセッツ工科大学に通う、エリート学生の医学部受験のための一騒動を描いた映画である。この映画の主人公ベン・キャンベルはMIT(マサチューセッツ工科大学)に通うエリートで、大学進学適正試験(Scholastic Assessment Test)は1590点、医学部入試試験(Medical College Admission Test)は44点、大学の成績(Grade Point Average)はオールAで要するに秀才か天才かという青年である。

ベン・キャンベルはマサチューセッツ工科大学からハーバードの医学部に進学したいと考えている。ベン・キャンベルは成績ではハーバードの合格ラインを超えているが、そんな彼でも解決できない問題があった。その問題は何か?それは“お金”の問題である。

アメリカの私立大学に通うには莫大なお金が必要なのである。映画の中ではハーバード大学の医学部に通うのには学費と生活費を合わせて30万ドル(1ドル124.2100で考えると37.263.000円)が必要だと語られる。

ベンの家庭は父親がなく母子家庭である。だから30万ドルのお金を出せるような余裕はない。そこでベンは奨学金を受けようと、ロビンソン奨学金に申請をするが、審査官には“君には私たちを驚嘆させるものがあるのか?”と言われて、奨学金の申請は受け入れがたいと言われてしまう。

そしてそんな時にベンは大学の教授がリーダーであるカジノカウント集団に誘われるのである。カジノでカウントするとはどういうことか?

カジノの賭けで行われるのはブラック・ジャックで、カードが配られて自分の持ち札の数(21に近いほど強い)が、カードの配り手のカードの持ち札と比べて優位になれば、自分の勝ちなのだが、その時配られているカード数を見て、残りの配られていないカードを推測し、自分に配られているカードが21に近くディーラーよりも数が大きいかを判断し、いつ手持ちのカードを決定するかによって、ゲームをプレイするいかさまである。

カウントはルール違反でこれを行うとカジノが利用できなくなる。映画のなかで主人公ベンは大金を手にして失う。しかしその体験を奨学金の審査官に話すと、審査官は驚嘆してぽっかりと口を開ける。

しかし大学に通うのに四捨五入して約4千万のお金がかかるというのは、お金持ちしかエリートにはしないと言っているのと同じだ。日本でも受験にお金をかけた人の子ほど偏差値の良い大学に受かりやすいのだそうだ。

 

 

 

※原題の「21」とはブラック・ジャックの勝利の数である。

※現在アメリカではアファーマティブ・アクションという黒人優遇の制度がある。過去に黒人奴隷とされていた悲劇の人種である黒人を学校の試験で有利にさせる制度ある。この制度は貧困白人、アジア人、ユダヤ人に不利に働いているという現状もあるのだそうだ。この映画のなかでカウントをする学生の集団はアファーマティブ・アクションで損をしている人種で構成されている。黒人の差別の問題は重要な問題である。アメリカが過去行ってきた人種差別を清算するために必要な処置だが、ある特定の人種にとってはそれがわだかまりとして受け入れられてしまっているのだろう。