性に対して放埒であること

 映画「ニンフォマニアック(Nymph()maniac vol.1,2)」を観た。

 この映画の冒頭は主人公ジョー(女性)が奥まった街路の上で倒れているのを、セリグマンという老人の男が見つけて、自分の部屋に連れて行くシーンである。セリグマンは自身の家の中で、ジョーがなぜ顔に傷跡を残して、道に倒れていたのかと尋ねる。するとジョーは自分がニンフォマニア(Nymphomania:色情狂、要は性欲が強い女性のこと)であると言い、自身の過去について話始める。

 セリグマンはその話を聞いて1つの話が終わる度に、セリグマンの読書によって得た知識による解釈を述べていく。ジョーはセリグマンの解釈が入る度に、ジョー自身の解釈を述べていく。

 ジョーの話のきっかけはセリグマンの部屋にあるもの(ex.フライフィッシングのフライ、東方教会のキリスト像、ケーキ用フォーク)である。セリグマンの部屋の中にある物からジョーは自身の過去を連想していく。

 ジョーの語る過去はジョー自身の色情狂から発生したものである。

 ジョーは幼い頃から性的快楽の虜になる。まだ10代に満たない頃にはカエル遊びと称して、浴室の床に水をまき、そこを性器がこすれるように、体全体を使って滑る。

 10代の頃には電車に賃金を払わずに乗って、その電車に乗っている男性乗客とより多くセックスをする。10代の頃の彼女は道徳への反抗のために、性的放埒であったと言っている。1人の男とセックスするのは1回だけと女性グループを作って約束し、それを決行もしている。仲間の女の子が1人の男と複数回セックスするとそれに対してジョーは怒り仲間を責める。

 そんな彼女も一般的な性愛に則って行動することもあった。初めてセックスした相手と再会し、彼に恋をし、その後彼の子供をもうけるのである。その相手の名はジェローム。ジョーの顔に傷を負わせた相手である。

 ジェロームは自分とジョーとの子供が寝ている間に、ジョーが外出し、他の男と性的な快楽に浸っていることを責める。なぜならジェロームには子供の面倒が見れないから、そして相手の男への嫉妬のためである。

 ジョーはそれが理由で家庭を捨て、堅気の生活も捨てる。ジョーは両親を失ったPとばれる少女と出会う。Pを利用してジョーの稼業の手伝いをさせるためである。ある日Pとジョーは借金取りとしてジェロームの家に押しかける。ジョーだけは押し入る前に去る。するとPとジェロームはできてしまう。Pのことが好きだったジョーはジェロームを殺そうとする。奥まった街路でジョーはジェロームのこめかみに銃を突きつけて引き金を引くが、弾は発射されずにジョーはジェロームに殴られ、Pはジョーに小便をかける。ジョーは言う「私の全ての穴を満たして」色情狂により人生が波乱に満ちたものとなってもジョーはそのセリフをはいた。

 老人セリグマンに自身の人生を語った後にジョーはセクシャリティーを捨てて生きると宣言する。しかしセリグマンの部屋で寝入ろうとするジョーをセリグマンは犯そうとする。ジョーはセリグマンをジェロームを撃てなかった銃で撃ち殺す?(音がして映像は映らない)ジョーは自身の色情狂により、人生をより波乱に満ちたものにした。